【トイ・ストーリー4】完璧な『3』からのちゃぶ台返し。ウッディが選んだ「第二の人生」が切なすぎる
こんにちは!エンタメを愛してやまない「とんこつ」です。
普段は映画やアニメ、マンガ、バラエティなど、夜更かししながら貪るようにコンテンツを消費している30代中盤のブロガーです。
私たちの世代って、子どもの頃に「たまごっち」の争奪戦があったり、学校から帰ると『学校へ行こう!』を観たり、平成のポップカルチャーのど真ん中で育ってきましたよね。
映画館でいえば、まさに『トイ・ストーリー』の1作目(1995年)や2作目(1999年)をリアルタイムで観て、ウッディやバズと一緒に大人になったような感覚を持っている方も多いのではないでしょうか。
そんな中、前作『3』で「これ以上ない完璧な大団円」を迎えたはずのこのシリーズ。
なぜ今さら『4』を作る必要があったのか……?
今回は、胸が締め付けられるほどの賛否両論を巻き起こした『トイ・ストーリー4』について、一歩踏み込んだ愛と切なさの徹底レビュー&考察をお届けします!
個人的な評価
- 圧倒的な映像美度:★★★★★
- キャラクターの自立度:★★★★★
- 胸のざわざわ度(切なさ):★★★★★
- 往年のファンへのちゃぶ台返し度:★★★★☆
CG技術の進化は、おもちゃのプラスチックの擦れ傷や、ぬいぐるみのモフモフした質感の1本1本まで肉眼で触れるかのようにリアル。
しかし、ストーリーが提示した「おもちゃの幸せの定義」は、これまでの3作品を熱狂的に愛してきた私たちの心に、良くも悪くも強烈な一撃を食らわせる内容となっています。
1. 映画『トイ・ストーリー4』の基本情報とあらすじ
| 項目 | 詳細 |
| 公開年 | 2019年(日本公開:2019年7月12日) |
| 監督 | ジョシュ・クーリー |
| 主なキャスト(声優) | トム・ハンクス(唐沢寿明)、ティム・アレン(所ジョージ)、アニー・ポッツ(戸田恵子)、トニー・ヘイル(竜星涼) |
| 上映時間 | 100分 |
あらすじ
前作で最高の持ち主だったアンディの手を離れ、幼い女の子・ボニーの元へと譲られたウッディたち。
しかし、ボニーのお気に入りはお部屋のクローゼットで埃をかぶりがちなウッディではなく、他の新しいおもちゃたちでした。
ある日、ボニーが幼稚園の工作でゴミ箱の先割れスプーンや針金で作った手作りのおもちゃ「フォーキー」を誕生させます。
ボニーにとって一番のお気に入りとなったフォーキーですが、自分を「ゴミ」だと思い込み、すぐにゴミ箱へ逃げ出そうとします。
ボニーの笑顔を守るため、ウッディはフォーキーを見守り続けるのですが、家族旅行の途中でフォーキーがキャンピングカーから飛び出してしまい、ウッディの命がけの「迷子救出作戦」が始まります。
2. 本編ストーリー
物語の推進力となるのは、新キャラクター「フォーキー」の圧倒的な迷子癖です。
ウッディは、かつてアンディに愛された記憶と誇りがあるからこそ、「今の持ち主であるボニーを絶対に悲しませてはいけない」という強い使命感(一種の義務感)に突き動かされています。
しかし、ボニーが幼稚園に馴染めず、泣きながら作ったフォーキーは、命を宿した瞬間から「僕はゴミだ!」と言い張り、隙あらばダストボックスへとダイブを繰り返します。
旅先の移動中、ついに車外へと脱走したフォーキーを追いかけ、ウッディは夜の田舎道を歩きます。
道中、ウッディはフォーキーに「おもちゃとして子どもに愛されることの素晴らしさ」を懇々と説き、フォーキーもようやく自分の役割を理解し始めます。
ようやくボニーたちのいるキャンピングカーの近くまで戻ってきた2人ですが、ウッディはふと立ち寄ったアンティークショップのショーウィンドウに、かつての仲間であり、かつて離ればなれになった磁器製の人形「ボー・ピープ」のランプを見つけます。
中に吸い込まれるように入っていくウッディ。
そこで待っていたのは、自分の声を出す「音声おもちゃの機械」が壊れているために、一度も子どもに愛されたことがない悲運の人形「ギャビー・ギャビー」でした。
彼女はウッディの健康なボイスボックス(声の機械)を狙い、不気味な腹話術人形の部下たちを使ってフォーキーを人質に取ってしまいます。
命からがらショップから脱出したウッディの前に現れたのは、なんとたくましく、そして自由に満ち溢れた姿に変貌を遂げた、かつての恋人・ボー・ピープでした。
3. 【ネタバレ注意】『トイ・ストーリー4』の見どころ・感想
ここからは結末までの展開に触れていきます。
本作の最大のクライマックスであり、映画史に残る議論を呼んだラスト。
それは、「ウッディがボニーの元へ帰るのをやめ、ボー・ピープと共に『持ち主を持たない迷子のおもちゃ』として外の世界で生きていく道を選んだ」という結末です。
ウッディは自分の声をギャビー・ギャビーに譲り、彼女が新しい子どもの元へ旅立つのを手助けした後、バズたちお馴染みの仲間たちに保安官バッジを託し、別れを告げます。
この展開に対して、私自身、初見のときは「嘘でしょ……?」と頭が真っ白になりました。『トイ・ストーリー3』であれほどボニーに「このおもちゃたちは僕の宝物なんだ、大切にしてね」と涙ながらに引き継いだアンディの気持ちはどうなるの?おもちゃの幸せって、子どものそばにいることじゃなかったの?と。
しかし、じっくりと見直すうちに、この映画の持つ「えげつないほどのリアルさ」と「現代的なメッセージ」に痺れるようになりました。
見どころを3つのポイントに絞って語らせてください。
① 「元カノ」の枠を超えたボー・ピープの格好良さ
かつてのドレスを脱ぎ捨て、マントを翻してピンチを切り抜けるボーは、まさに自立した大人の女性。
私たちの世代って、子どもの頃は「王子様を待つヒロイン」のアニメを観て育ちましたけど、社会に出たら「自分でキャリアも人生も切り拓く」のが当たり前になりましたよね。
ボーの姿は、そんな現代を生きる私たちの鏡のようです。
彼女は「子どもに捨てられた過去」を恨むのではなく、「世界はこんなに広いんだ」とポジティブに捉え直しています。
その姿が、狭いクローゼットで自分の価値を見失いかけていたウッディの目を覚まさせるのです。
② 悪役ギャビー・ギャビーに隠された「おもちゃの悲哀」
今作のヴィラン(悪役)的立ち位置であるギャビー・ギャビー。
でも彼女、決して根っからの悪人ではないんですよね。
ただただ「一度でいいから、子どもに抱きしめられて、自分の背中の紐を引いて声を聞いてほしい」と願っているだけ。
彼女の健気な執念は、私たちが子どもの頃に流行ったおもちゃ(例えばファービーとか、大事にしていたぬいぐるみ)が、壊れたり飽きられたりした後にどうなったか……という、大人としての「小さな罪悪感」をチクチクと刺激してきます。
③ チョコプラの2人が最高すぎる新キャラの清涼剤
映画がシリアスで哲学的な方向に進む中、救いになっているのが移動遊園地の景品ぬいぐるみ、ダッキー&バニー(声:チョコレートプラネット)。
彼らの「作戦会議」という名の妄想暴走コントは、声を出して笑ってしまうほどシュールで最高です。
彼らのおかげで、ピクサーらしい極上のエンタメ感が保たれています。
4. ラストの結末を徹底考察!あのシーンが意味すること
本作がなぜこれほどまでにファンの間で物議を醸したのか。それは、一言で言えば「終身雇用・自己犠牲の終わりと、フリーランス(個人)としての自立」を描いてしまったからです。
これまでの1〜3作目は、おもちゃたちにとって「持ち主(会社・組織)」に尽くすことが絶対的な正義であり、最高の幸せでした。
どんなに理不尽に扱われても、飽きられても、いつかまた遊んでもらえる日のために待つ。
これは日本の昭和~平成初期的な「組織への忠誠心」にとてもよく似ています。
しかし『4』におけるウッディの状況を振り返ってみてください。
ボニーのおままごとでは配役すら与えられず、他の男の子のおもちゃ(足のちぎれた兵隊など)と一緒にクローゼットの隅に放置される日々。
挙句の果てには、自分のアイデンティティである「保安官バッジ」をジェシーに付け替えられても、ボニーは気づきもしません。
事実としてのウッディの境遇:
彼はボニーにとって、すでに「いなくても困らないおもちゃ」になっていた。
ウッディがそれでもフォーキーを命がけで守ろうとしたのは、ボニーのためというよりも、「ボニーのためにおもちゃを守る自分」でいなければ、自分の存在価値が証明できなかったから。つまり、依存だったんです。
ラストシーンで、親友のバズ・ライトイヤーがウッディにこう声をかけます。
「彼女(ボニー)は大丈夫だ」
この言葉の本質は、「ボニーはウッディがいなくても生きていける。だからお前も、もう誰かの身代わりではなく、ウッディ自身の人生を生きていいんだよ」という意味なんです。
ウッディが最後にバッジをジェシーに託し、ボーの隣に並んだあの瞬間。
彼は「子どもを幸せにするシステムの一部」であることを辞め、「世界中の、まだ愛を知らない子どもたち(ギャビー・ギャビーのような存在も含め)を救う」という、自分の意志による新しいキャリア(生き方)を始めたのだと考察できます。
アンディ世代の私たちからすると、幼馴染が実家を飛び出して誰も知らない土地でフリーランスとして生き始めたような寂しさがあります。
でも、彼がクローゼットの奥で自分の過去の栄光(アンディとの思い出)だけにすがって生きていくより、第二の人生を生き生きと歩む姿こそが、現代における本当のハッピーエンドなのだと、今の私なら深く納得できるのです。
5. まとめ:『トイ・ストーリー4』はこんな人におすすめ!
映画『トイ・ストーリー4』は、ただの「子ども向けアニメの続編」と思って観ると、心が粉々に引き裂かれるかもしれません(笑)。
でも、だからこそ以下のような人に猛烈に突き刺さる作品です。
- 「自分の今の役割やキャリア」に悩んでいる30代・40代の人
- 人生の転換期を迎えていて、一歩踏み出す勇気が欲しい人
- 『トイ・ストーリー3』が完璧すぎて続編を敬遠していた往年のファン
かつて親の言う通り、社会のレール通りに生きることが正解だと信じていた私たちが、大人になって「自分の幸せってなんだろう?」と見つめ直す。
そんなタイミングにこそ、この映画は本当の価値を現します。
ぜひ、バスタオルを用意して、ウッディの「大人の選択」を見届けてみてくださいね!
