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【FALL/フォール】東京スカイツリーと同等の錆びた鉄塔に取り残されたら?高所恐怖症は閲覧注意のサバイバル劇

とんこつ

皆さま、こんにちは!エンタメを愛してやまないブロガーの「とんこつ」です。

最近、お部屋の片付けをしていたら、大昔にガラケーの着メロ本を見ながら必死に3和音や4和音の打ち込みをしていたガラパゴスなノートが出てきまして(笑)。

あの頃って、J-PHONEの写メールが始まったばかりで画質も粗かったなぁなんて、すっかりノスタルジーに浸ってしまいました。

さて、そんな地上波のテレビ全盛期を過ごしてきた私ですが、今回は「テレビの電波塔」を舞台にした、文字通り“心臓がバクバクして足がすくむ”超ド級のスリラー映画をご紹介します!

高所恐怖症の方は、読んでいるだけで手のひらに汗を握ってしまうかも……? 覚悟してついてきてくださいね!

個人的な評価

  • 絶望的な高所恐怖度:★★★★★
  • 手のひらの発汗レベル:★★★★★
  • ワンシチュエーションのアイデア度:★★★★☆
  • 後半の衝撃どんでん返し度:★★★★☆

1. 映画『FALL/フォール』の基本情報とあらすじ

まずは本作の基本的な情報からご紹介します。

2022年に公開され、低予算ながらもその圧倒的な臨場感から世界中で大ヒットを記録したシチュエーション・スリラーです。

項目詳細
原題FALL
公開年2022年(日本公開:2023年)
監督スコット・マン
脚本スコット・マン、ジョナサン・フランク
キャストグレイス・キャロライン・カリー、バージニア・ガードナー、ジェフリー・ディーン・モーガン
上映時間107分

あらすじ

フリークライミング中に夫のダンを落下事故で亡くし、絶望のどん底にいたベッキー。

事故から1年が経っても酒に溺れる日々を送る彼女を見かねて、親友のハイテンションなYouTuber・ハンターが、ある無謀な計画を持ちかけます。

それは、砂漠にポツンと佇む、いまは使われていない地上600メートルの超高層テレビ塔「B67テレビタワー」に登ること。

夫の遺灰を頂上から撒き、恐怖を克服して前を向こうとするベッキーでしたが、そこには想像を絶する悪夢が待ち受けていました。

2. 本編ストーリー

物語の舞台となるのは、アメリカの広大な砂漠地帯にそびえ立つ、実在するタワーをモデルにした「B67テレビタワー」。

その高さはなんと610メートル。東京スカイツリー(634m)とほぼ同じといえば、どれほど異常な高さか想像がつくでしょうか。

しかも、建設から年月が経ち、完全に老朽化して錆びついた鉄塔です。

夫を亡くしたトラウマを克服したいベッキーと、刺激的な動画でフォロワーを増やしたいハンターの二人は、立ち入り禁止の柵を越えて、鉄塔の内側に設置されたハシゴを登り始めます。

一歩一歩、ギシギシと軋むハシゴを登っていく二人。

不穏な音を立てるボルト、タワーの周囲を不気味に飛び回るハゲワシ。

観ているこちら側としては「もうお願いだから引き返して!」と言いたくなるような赤信号が随所に灯るなか、二人はついに、頂上にある直径わずか数メートルの狭い展望プラットフォームに到達します。

ダンの遺灰を風に散骨し、ドローンで自撮りをして、見事に恐怖を乗り越えたかに見えた二人。しかし、悲劇は下山の瞬間に訪れます。

ベッキーがハシゴに足をかけた瞬間、老朽化していた鉄塔の外付けハシゴが、凄まじい音を立てて一気に崩落。

二人は、地上600メートルの遮るものが何もない、座るスペースすら満足にない小さなプラットフォームに取り残されてしまいます。

手元にあるのは、わずかな水と、お互いのスマホ、そして自撮り用のドローンのみ。

もちろん、こんな秘境ではスマホの電波は完全に「圏外」です。

3. 【ネタバレ注意】『FALL/フォール』の見どころ・感想

映像の魔術師が仕掛ける「本物の高所」の恐怖

本作の最大の見どころは、全編を通して観客を襲う「圧倒的な視覚的恐怖」です。

低予算映画でありながら、チープなグリーンバックのCG感は一切ありません。

それもそのはず、スコット・マン監督は実際に山の頂上に100フィート(約30メートル)の塔を建て、本物の崖の高さと風を利用して撮影を行っているのです。

カメラが二人の足元を捉えるたび、遥か彼方に霞む地上が映し出され、本当に自分が地上600メートルに立たされているかのような錯覚に陥ります。

IMAXなどの大画面で観たら、本当に足がすくんで座席を掴んでしまうレベルです。

生死をかけた1本の「ロープ」と、明かされる残酷な秘密

ハシゴが崩落したため、二人が持っているのはクライミング用の約15メートルのロープ1本だけ。

プラットフォームから少し下がった場所にある「アンテナの皿(パラボラアンテナ)」に引っかかってしまった、水とドローンが入ったリュックを回収するため、ハンターが命がけでロープを伝って降りるシーンは、本作前半のハイライトです。

しかし、この極限状態のなかで、ベッキーは親友のハンターに関する「ある残酷な秘密」に気づいてしまいます。

なんと、亡くなった夫のダンは、生前にハンターと浮気をしていたのです。

ハンターの足首にあるタトゥーがきっかけでその事実が発覚した瞬間、地上600メートルの密室ならぬ「超高所」で、最悪の心理戦と気まずさが漂います。

この「肉体的な恐怖」と「精神的な裏切り」のダブルパンチの脚本が実に巧妙です。

ラストの結末:生還への執念が生んだ、あまりにも壮絶な決断

ドローンを使った救助要請も失敗し、水もなく、飢えと渇き、そして怪我をしたベッキーの血の匂いを嗅ぎつけたハゲワシたちに襲われるという、地獄のような状況が続きます。

そして、物語の後半、映画の評価をガラリと変える「最大の仕掛け」が明かされます。

実は、中盤でロープを伝ってリュックを取りに行き、命からがらプラットフォームに戻ってきたと思われていたハンターは、あのリュック回収の時点で足を滑らせてパラボラアンテナに激突し、即死していたのです。

ベッキーがそれ以降会話をし、励まされていたハンターは、孤独と絶望に耐えかねたベッキーの脳内が作り出した「幻覚」でした。

プラットフォームの上で、すでに事切れてハゲワシに啄まれているハンターの遺体(パラボラアンテナの上にある)を遠目に見下ろした瞬間、ベッキーの、そして観客の精神は崩壊寸前になります。

しかし、ベッキーは諦めませんでした。彼女は生き残るため、最後の手段に出ます。

ロープを使ってハンターの遺体があるパラボラアンテナまで降り立ち、自分を襲ってきたハゲワシを返り討ちにしてその肉を喰らい、体力を回復。

そして、電波を圏外から届かせるため、ハンターのスマートフォンを「ハンターの遺体の腹の中にねじ込み」、衝撃を吸収させるために彼女の死体を地上へと落下させたのです。

地上へ落ちていく死体のスマホから、あらかじめ送信予約しておいた「父親へのSOSメッセージ」が電波を拾い、無事に送信成功。

ラストシーンでは、駆けつけた救助ヘリによって、満身創痍のベッキーが父親と抱き合う姿で幕を閉じます。

4. ラストの結末を徹底考察!あのシーンが意味すること

映画を観終わった後、あの凄惨で、しかし圧倒的な生への執念が描かれた結末について、いくつかの視点から深く考察してみました。

考察①:「幻覚のハンター」がベッキーを救ったというパラドックス

中盤以降のハンターがベッキーの幻覚だったという仕掛けは、サスペンス映画として非常に秀逸です。

伏線を振り返ると、リュックを回収して戻ってきたはずのハンターは、なぜかそれ以降、水や食料を一口も口にしていません。

また、ベッキーが「寒い」と言っても、自分の上着を貸そうとはしませんでした(実体がないため動かせない)。

ここで面白いのは、ベッキーを窮地に追い込んだ元凶であるハンター(無謀な登山を提案し、夫と浮気していた裏切り者)の幻覚が、最終的にベッキーの「生きる気力」を支え続けたという点です。

人間は、本当の孤独に直面したとき、精神を守るために防衛本能が働きます。

ベッキーにとってハンターは、憎むべき対象であると同時に、世界で唯一「ダンの死の痛みを共有できる人間」でした。

幻覚のハンターが「生きて」と励まし続けたからこそ、ベッキーは最後の残酷な決断を下す強さを得られたのだと言えます。

考察②:死体を「道具」として使う、モラルの崩壊と生の肯定

映画のクライマックス、親友の遺体のお腹にスマホを埋め込んで地上に落とすという描写は、倫理的には凄まじいタブーであり、一見すると「不気味」「狂気」に映ります。

かつて流行したサバイバル映画の金字塔『生きてこそ』を彷彿とさせるような、極限状態でのモラル崩壊です。

しかし、これこそが本作が描きたかった「本当のサバイバル」の姿です。

前半、ベッキーは夫の死を引きずり、自傷行為のように生きる屍となっていました。対してハンターは「人生は短い。一瞬一瞬を生きなきゃ」と、危ういながらも生を謳歌していました。

ハンターの死体を使って生き延びるという行為は、ハンターの「生への執念」をベッキーが文字通り受け継ぎ、ダンの死のトラウマ(=過去)を完全に決別して「私は何が何でも生きる」という強烈なエゴを手に入れた瞬間でもあります。

単にグロテスクなシーンではなく、最高に狂おしい「人間の生命力の肯定」なのです。

考察③:ハゲワシの象徴するもの

劇中、何度も二人の周囲を飛び回り、まだ生きているうちから体を突っついてくるハゲワシたち。彼らは文字通り「死の象徴」です。

最初はハゲワシに怯え、なす術のなかったベッキーが、終盤ではハゲワシの首を掴んで窒息死させ、その生肉を貪り食うシーンがあります。

これは、ベッキーが「死の恐怖(ハゲワシ=ダンの事故死のトラウマ)」に打ち勝ち、捕食する側の「生者」へと反転したことを視覚的に表す、本作で最もパワフルで鳥肌が立つ名シーンです。

5. まとめ:『FALL/フォール』はこんな人におすすめ!

映画『FALL/フォール』は、単なる「高いところが怖い」だけのB級パニック映画だと思って観ると、見事に足元をすくわれる傑作スリラーです。

  • 手汗が止まらないほどの緊張感と、圧倒的なスリルを体感したい人
  • 『シャーク・ナイト』や『ロスト・バケーション』のような、ワンシチュエーションのサバイバル劇が好きな人
  • 映画の後半、物語がガラリと裏返るような衝撃のどんでん返しを味わいたい人
  • 日常の小さな悩みなんて一瞬で吹き飛ぶような、極限の「生へのエネルギー」を感じたい人

見終わった後は、自分が今、しっかりと安全な地面に足をつけ、いつでも水道から水が出て、スマホの電波が繋がる世界にいることに、涙が出るほど感謝したくなります(笑)。

皆さまもぜひ、お部屋を暗くして、できれば大きめの画面で、この地上600メートルの絶望を擬似体験してみてくださいね!

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